勝てる営業組織の育成人

【ゲスト】中村

【インタビュアー】株式会社ビースタイル 代表取締役社長 三原邦彦

【ライター】 ライター 荒川雅子


求人広告媒体業、人材紹介業、人材派遣業、クラウドソーシング(業務委託)の営業・マネージャーとして、新卒・中途・派遣・業務委託採用に関するトータルソリューションをご提案されてきた中村さん。業界を問わず、従業員数100名未満の中小企業から1,000名を超える大企業まで、幅広いクライアントをご担当されました。


さまざまな課題を持つ法人クライアントを支援されてきた同氏に、当社社長の三原がインタビューさせていただきました。

中村さんのご経歴や、メンバーマネジメントのポイント、ご自身のコンサルティングスタイルなどについてお話しいただきました。


商品力ありきの営業に違和感

三原

まずは、ご経歴をお聞かせください。


中村

自分は営業しかできないかなと思っていたので、新卒で大手お菓子メーカーに入って、営業になりました。しかし、そこでやっていた営業に違和感があって、半年で退職しました。

自社のお菓子を店舗に置いてもらうための営業だったのですが、どちらかというと営業マンの価値ではなく、商品の良し悪しで決まってしまう次元の話だったんです。


三原

確かに。それでは店舗を巡回するラウンダースタッフと変わらないですもんね。それにすぐに気付かれたんですね。


中村

そうですね。これでは、労働集約型の営業で完結してしまうなと思って。「売れないものを売るのが営業だ」みたいな話がありますけど、配られたノルマを達成するために無理やりやっているような感覚でした。

三原

その後は大手求人広告会社に行かれたんですね。

なぜここにしようと思ったんですか?


中村

その時は、もう営業はやりたくないなと思っていました。それで、元々料理を作るのが好きだったので、飲食業界で仕事がしたくて専門学校に通おうと思ったんですが、学費を払うお金がなかったんです。そうしたら、ちょうどそこが営業のアルバイトを募集していたんです。それで、一年で辞めるつもりで、学費を貯めるために入ることを決めました。


三原

初めはアルバイトだったんですね。

でも、結果的にそのまま長い間その会社にいらっしゃったんですね。


中村

そうですね、一年で社員になりました。前の会社の営業と違って、無理やりな感じは全くなかったですし、若いうちからいろいろと新しいことを任せてもらえたので、やりがいもありました。その後、同じ系列の人材紹介会社へ異動してからも、ずっと営業をしていました。


人材サービス会社での幅広い営業経験


三原

大手の既存顧客に対して、がっつり営業されていたんですね。

営業メンバーも抱えていらっしゃったんですか?


中村

はい。当時その会社では、人材紹介の営業マンが広告媒体を売ることにチャレンジすることになったんです。それで、その時は元々いた会社の広告領域のノウハウを活かし、人材紹介会社のマネージャーとして営業のプロセスを構築しました。


三原

へぇ、両方やられていたんですね。

それで、どうなったんですか?


中村

メディアミックスの形で広告媒体を売れるようになりました。


三原

お~すばらしい!確かに、広告媒体と人材紹介のクロスオーバーソリューションを提供できるということですから、営業効率が上がりそうですね。

そちらで素晴らしい結果を出されていたのに、なぜ13年も務めたその会社を辞めて、違う会社に移られたんですか?


中村

いままでは、既存のサービスをいかに拡販するかがメインだったのですが、一定経験できたこともあり、新たなサービスをつくりだすようなことをしたく、転職に至りました。

転職先の事業内容としてはホテル業界への人材派遣でしたが、ただ派遣するだけではなく、派遣された方々がそこで働くことによって社会人としての基礎能力を身につけることができるプログラムを提供していました。


三原

なるほどね。

1年くらいその会社さんでやられて、その後はクラウドソーシング系の会社さんに行かれたんですね。


中村

はい。その会社が人材派遣をやめて、全く別の事業を始めることになったんですが、私はずっと人材系でマッチングサービスをしてきたので、方向性の違いから別の会社に移ることにしました。

その時に、正社員やアルバイトや派遣の人材系のマッチングはやってきたけど、業務委託の領域はまだやったことがなかったし、可能性があるなと思ったので、クラウドソーシング会社に転職を決めました。


三原

なるほど。そこでも営業をされたんですね。


中村

はい。、いきなりクラウドソーシングは使えないというお客様の案件を、一旦会社で受託して、それをお客様の代わりに発注して、できたものをチェックして、納品するという事業を伸ばすタイミングで、営業マンを募集していたんです。


三原

発注単価がなかなか上がらないというような話がありましたもんね。

それで法人さんからがーっと請け負って、それをクラウドワーカーに発注してみたいなね。

でも今では、やはり、お客様からクラウドワーカーにダイレクトに発注するという従来の事業を伸ばされている感じですよね?


中村

そうですね。


売れる営業と売れない営業の違い

三原

これだけ営業畑をがっつりやられるなかで、営業で結果を出すために大事にされていたことは何かありますか?


中村

そうですね。何か特別なことをするわけではなくて、既存のお客様とどれだけお付き合いを続けていただけるか、伴走することだと思います。あとはスピード対応。この二つですね。


三原

営業マンの中でも、売れる営業と売れない営業がいると思いますが、両者の違いって何だと思いますか?


中村

違いは、自分の強み・弱みを理解できているかどうかだと思います。自分の弱みをきちんと理解できていれば、弱みを克服しようとか、足りていないところは他の人に協力してもらおうとか、対策が打てます。

しかし、たまたま商品が売れたことで、弱みに気が付かないまま、自分は出来ていると思い込んでしまい、結局その後なかなか結果が出せない。このようなケースが一番良くないですね。


三原

商品力があったとしても、営業マンによって結果に差が出てくるものなんですか?


中村

出ますね。特に以前勤務していた大手求人広告会社の場合、サービスの商品力はあったんですが、値段が他社の2~3倍高かったので、簡単には売れなかったんです。

そういう時に、顧客の立場に立てるかどうか、顧客のために3Cのフレームなどを使いながら、顧客理解ができるか、顧客視点で会話ができるか、提案できるかどうか。やはりこの辺りで、売れる・売れないの差が出てくると思っています。


三原

確かに、それだけ金額が高いと、営業マンには値段が高くても売れる説得力が必要とされますもんね。


中村

あくまで広告であって、成功報酬ではないので、余計難易度が高いんです。いかに使ってもらって効果が出るような提案をするか。そういったところが求められますね。


三原

確かにね。実際、付加価値が出せなければ、そこに営業マンは必要ないですもんね。


中村

そうですね。それこそラウンダーや御用聞きみたいになってしまうので。


三原

確かにその通りですね。


一人ひとりの自律的な行動を促すメンバーマネジメント

三原

仕事において、中村さんが一番情熱を持って取り組めることは何ですか?


中村

組織づくりやメンバーマネジメントは好きですね。特に、メンバーのモチベーションを活性化させることには、すごく興味があります。


三原

営業部隊の動き方の設計ではなく、どちらかというと組織のメンバー一人ひとりの自律的な行動を促すために、モチベーションを上げる仕組みづくりが好きだということですね。


中村

そうですね。まずは、メンバーを理解して、期待して、機会を与える。そして、機会を与えたからには要望する。要望した上で支援してあげて、ちゃんと評価して、承認して、報賞してあげる。そういったフレームに当てはめていきます。

このとき、一人ひとりの状況をより細かく見ながら、個別にシートに具体的なアクションを落として進めていきます。


三原

マネジメントスタイルとしてはスタンダードですが、中村さんの場合は、それをより緻密にやられているんですね。

メンバーのモチベーションを上げるときに、効果的なことは何かありますか。


中村

一番はメンバーをよく理解することだと思います。メンバーがどういう時に楽しいか、ワクワクするか、嬉しくなるか、を幼少期まで遡ってモチベーションの源泉となるポイントを確認しにいきます。

そのポイントがわかったら、その人に与えられたミッションや役割が、必ずそのポイントや将来やりたいことに接続されるように考え、モチベーションを設計していきます。


三原

なるほどね。将来身に着けたい能力やなりたい自分に、今の働きをどう接続するかということですね。


中村

そうですね。また、いつも心がけているのは、いかに気付きを与えられるかということですね。自分では、自分のできないところは気付けても、自分の良いところや強みには気付けなかったりもします。第三者から「ここがあなたの強みだから」と気づかせながら、できるところ、できているところを伸ばしてあげるようにしてあげることを意識していますね。


お客様と伴走しながら解決策へ導く

三原

なるほどね。

ご自身の一番の売りはどんなところだと思いますか。


中村

そうですね。お客様に「こうしてください」とするのではなく、お客様が本当に困っている課題を導き出して、顧客の目線に立ってその課題と向き合い、一緒に試行錯誤しながら解決策を作っていけるところだと思います。

例えば、営業に課題を感じているようであれば、まずは事実を把握するために、営業同行したり、現場の方にインタビューしたりしながら課題を見出し、お客様と一緒に伴走しながら解決策を実施していきたいと思っています。


三原

なるほど。お客様と課題を共有しながら、一緒に考えて解決していくのがお好きなんですね。ただ単に指導して終わりじゃなくて、一緒に取り組んで、時には一緒にコケたりとかしながらね。


中村

そうですね。むしろそちらの方が面白いです。どちらかというと見えないものを追いかけるのが好きなんだと思います。


三原

なるほど。プロダクトが有るサービスより、無いもののほうがよさそうですね。さっき冒頭で仰っていたように、商品力ではなく営業力が売れる・売れないを左右するサービスの方が向いているのかもしれませんね。

引き続きスーパーセールスマンとしてさまざまなお客様のところのご支援をいただけると嬉しく思います。ありがとうございました。


【経歴】

大手菓子メーカー

中小卸問屋、中小スーパー向けの営業を担当


大手求人広告会社

中途採用メディア・新卒採用メディアの営業を担当

その後、マネージャーとしてチームマネジメントを行いながら、成功報酬型媒体モデル・ 新卒採用におけるマッチング力向上を図るサービス拡販のプロジェクトを牽引


大手人材紹介会社

その後、人材紹介会社へ転籍、大手メーカーを中心とした営業組織のマネジメントを担当


コンサルティング・人材派遣会社

人材派遣事業の立ち上げから課金化までの一連業務を経験


クラウドソーシング会社

数十名の社員・アルバイトのマネジメントを担当しながら、自ら営業を率先垂範

現在は、カスタマーサクセス部門の組織機能の立上げ、及び人事を兼務し、マネジメントポリシーの策定、キャリア相談制度の設計・導入、研修等幅広く担当

BIZ-directors

株式会社ビースタイルが運営する企業とプロビジネスパーソンのマッチングサービス 「BIZ-directors」の登録者情報を掲載するサイトです。

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