SDGs × 事業 × 採用の架け橋に。

【ゲスト】 株式会社ブライトアンドカンパニー 代表取締役 松本淳(まつもと じゅん)

【インタビュアー】 株式会社ビースタイル 代表取締役会長 三原邦彦

【ライター】 スマートキャリアエグゼクティブ専任 田口一代(ちょっとだけ話します)


新卒で株式会社インテリジェンスに入社。人材紹介事業の新規立ち上げに関わり、

事業企画・WEB マーケティング・システム企画などを担当。

2003 年に求人検索エンジン事業の株式会社ジョブダイレクトを創業。

事業を伸ばし、2007年にリクルートからのM&Aオファーを受諾し事業を売却。

教育とクリエイティブメディアを融合させた、

音楽やアートを通じた社会支援・国際協力のプロジェクトに注力。

今回は、松本さんの経歴、ご自身の強み、

今後目指すことなどをざっくばらんにお話頂きました。


人道支援×テクノロジー

三原

最近どんなことしているんですか?


松本

最近はずっと、NGOでイノベーション事業をやっています。

アジア圏のNGOと日本企業を繋げたり、ファンドや国連に協力を得て、人道支援や災害支援、難民支援にテクノロジー掛け合わせる支援をしています。


三原 

なるほどね。

松本

その世界ってやっぱり遅れていて、企業がここ20年くらいでやってきたイノベーションとかテクノロジーにキャッチアップできてないんです。 

ひたすら人海戦術で食料を配っていたり。

だから企業が持つ技術を導入して、難民の管理も紙じゃなくて、虹彩で認証したり。

あと、支援金も現金ではなくデビットカードで渡したりするんですよね。


三原

たしかに。


松本 

そういった部分をテクノロジーで変えていきましょうということをやっています。


三原

なるほどね。


イノベーションをHRに繋げる

松本

でも最近は、そういうことを日本の学生に適用できないかと色々動いています。

例えば、社会課題提起して、大手企業のリソースを使って地方創生をやりましょうというお題を設定して、地方創成をやりたい優秀な学生を集めて、その企業がスポンサードとなり、企業が持つネットワークなどを使って、地方創成をする案を考えるワークショップを企画したり。


三原

なるほどね。


松本 

そこに優秀な学生が集まるので、企業としては自社にもともと興味がなくても地方創成に興味のある学生を口説いてもらったりなど。


三原

そこに企業がお金を出す目的は何が多いの?


松本

採用がメインですね。

集客する学生は大学3、4年生がメインだと思っています。


三原

学生…採用課題…学生自体の動機っていうか、そういうのに参加したい学生はいっぱいいるってこと? 


松本

はい、たくさん…まぁ正直上位5-10%ですよね、いても。

それはそれでよいと思っています。

僕は今、社会起業家の支援もしていて、審査とかをやっていて、社会課題を解決したい!と思っている人はたくさんいるんですけど、起業となるとハードルが高いんですよね。

起業までいかなくても、会社に入ってからでもやりたいと思っている学生は一定層いると思っています。


三原

そうだね。


松本

そういう優秀な学生を集めて、グループ組成をしたいと思っています。


三原

なるほどね。

例えば、ワークショップでワークをして、でもこのワークこのワーク自体は、最終的には実施するかどうかは?

松本

そうですね、実際できていないのが正直なところです。

本当に何回に1回は、実際に実施するプランが出るかもしれないですけども、あくまでもインターンシップでもあるから実施までは検討されないことがほとんどです。


三原

なるほどね。

そうしたらあれだよね、企業を動かして、企業の資産を使って、CSVかなんかで、やんないといけないんだよね、本当はね。


松本 

そう思います。

企業側も正直やりたいけど、やり方とか効率考えたりとか色々面倒くさいと思っていたりするんですよね。

そうであれば、こっちでは全部代行できるし、学生も集められから、企業側からは若手の優秀な人材を何人か派遣してもらってリクルーター兼サポーターとしてついてもらう感じが理想かなと。


三原

なるほどね。

でも、そのと取り組みとしては、最終的には社会課題も解決もしていきたいとなると、企業からもスポンサーを出して、学生もアイディアを出して、最終実行もされないと、満たされないね。今で言うと、採用の中のオプションの一つでしか過ぎなくて、最終的な目的が果たせてるのか果たせていないのかが分からないよね。

松本

そうですね。あとはバランスなんですよね。

実際、僕らもNGOの取り組みでワークショップやるんですけど、やる気があっても実行できないアイディアってたくさんあるんですよね。その中の1つか2つがようやく達成されるくらい…。

でも、そこにはすごい人達が集まっているんで、もったいないなってすごく思うんですよね。

僕がHR出身として…という点も強いですが。


三原

ちなみに、NGOではどういう立場で仕事しているの?


松本

企画運営ですね。

社団法人が事務局長をしています。

三原

この社団法人自体のビジョンは?


松本

人道支援、その世界の社会課題解決とか、

イノベーション促進が僕らのビジョンです。


三原

最終ゴールとして自分はどういう人間を目指しているの?


松本
僕は、イノベーションを起こすためのプラットフォームのプロデューサーになりたいと思っています。

三原

でも、ぶっちゃけ人道支援にいかなくても、イノベーションをやる場所ってたくさんあると思うんですよね。


松本

ありますね。


三原

でもそれが、人道支援としているのは自分のなかでも何か目標があるの?


松本

社会に良いことをしたいというのがあります。世界が良くなるような、社会課題の解決になるイノベーションをやりたいです。


三原

なるほどね。例えばさ、出た利益でもって、カンボジアで投資してあげるとかね、そういうのはないの?


松本

それも確かにあります。

もともと日本企業ってそれがメインなんですよね、本業で儲けて、一部が寄付金とか補助とか、全体売り上げの何%とか。

欧米というかアジアの企業も潮流が変わってきていて、SDGsに絡めて、いいことをして儲けようっていう流れになってきています。

日本もそっちのほうに持っていきたいっていうのもあります。


三原

結果論からすると、そういうイノベーションって日本中で増えればよいってことでしょ?日本中、世界中でイノベーションを起こすには、学生も含めてどういう人たちが企画するのが一番確率論としては高いの?


松本

まさに僕は大学生に力を発揮してほしいと思っていて、NGO業界ってどんどん高齢化していくんですよ。

40代50代の中に学生が入ると、すごい発想をしてくれたりするんですよ。

でもほとんどの学生その世界を知らないと、

基本的に割とのんびりやっていて、3年生になると就活始めるとか。

その前に、こういう世界があってこういう課題があってそういう視点があって最終的にこういうことをやりたいという、会社でやりたいことをそこで発見してもらって、それに近しい会社に就職してほしい、なんなら起業したっていいし、そうしたら僕らの別団体も支援しますっていう感じのことを考えています。


三原

なんか俺なんかはシンプルに、その社会課題に対して解決したいって情熱がある人じゃないとそこに向かう目的ってない気がするんだよね。

そもそもそういう熱意を持っていない人を焚きつけて、焚きつけようと思っても焚きつかないんじゃないかって思うんだよね。


松本

そうなんですよね、機会がないっていうのもあると思っています。

それこそ日本と世界が断絶しすぎているのが、アジアを周っていて思っているので、こういうのがあるよっていうことをまず知らしめることが第一歩かなっていう気がしています。



皆がもっと自己表現できる世の中に

三原

目的からすると社会課題を解決するイノベーションということでそこに関しては学生から中途から、なんかこうそういうイノベーションを考えられる人が集まったほうが、すべてにおける確率は高いよね。

社会を良くしていきたいという、自分の中で興味関心が一番高いところはどこ?


松本

やっぱり出身がインテリジェンスというところもあって、人の働き方ですよね。

自分自身のやりたい課題に取り組めれば、もっとそれこそ適材適所でいい社会になると思っています。仕事がつまらないと思っている人がしても世の中って良くならないかと。

でも会社や仕事ってすぐに変えられないじゃないですか。

だからこの若いうちに、自分でやりたいことを見つけて、この会社で実現したいとか、会社でなくてもやろう!という動機が持てるように皆さんを動かしていきたいと思っています。


三原

だからやっぱり今の仕事が自己実現に繋がっていない人が多いということだよね?


松本

そこですね。

会社の中でこれが一番自分がやるべき仕事だって思っている人は多くないんじゃないんですかね。


三原

なんかさ、最近僕自身考えるのが、結局従業員の満足度って、幸福度って、従業員そのものがなりたい自己実現を後押しすることなのかなと。 

例えば、状況に合わせて副業したりですとか。従業員の自己実現を企業として後押ししていくとおそらく人間って感謝心と貢献心が馬力になると。


松本

それ本当にあると思いますね。

会社が個人を縛っててもしょうがないと思っていて、成果さえ出してくれれば、あとは個人の自由だと思うんですよね。

その時に、個人のライフスタイルを設計できるような、個人のビジョンと近しくなれるような調整をしたいななんて思っています。


三原 

なるほどね。
でも松本さん、人事のキャリアではないですよね?

松本

僕、人事じゃないですね。


三原

社員の幸福度を上げていくこと自体ができれば、ともっと自己実現に入ってくる子たちを増やせたりするんじゃないのかな?と思ったりするんですが、そこに興味関心を交えて仕事をすることはあまり考えていないの?


松本

大きい組織で抜本的に人事制度を変えてみたりとかっていうのは、それは確かに興味ありますね。

従業員一人一人がもう少し高い視野や目線をもって、経営視点でみんなで意識改革とか精度設計ができればもっと日本は活性化するんじゃないかな?と思ったりしています。


三原

経営視点っていうのは、具体的にはどう捉えているの?


松本

自分自身もマーケットと対峙しているはずなんですよね。

その会社の中でというよりは、会社として、マーケットに対して自分自身が何ができるかを考えることが経営視点の第一歩かなって思っています。


三原 

なるほどね~。
実は最近、それって評価制度の弊害だなって思っているんですよね。

例えばさ、営業活動をして、営業で結果がでると、プロ営業マンにはなるんだけど、最終的にはプロビジネスマンにならないじゃん。

だから年次が上がると同時に、評価指標を変えることが必要かなと。


松本

そこは大切ですね。


三原

さっき話していた、経営視点なんだけど、僕は創造的経済活動が主だと思うんだよ。

常に経営資源を元にした中で、どのような取り組みをまた新たにしていけば、経済効果を高められるかを想像していかなくてはいけない。

ただ、創造的経済効果に対して評価する制度がちゃんとないから、そこに対して能力が身につかないような気がしているんだよね。

松本 そうですね、どうしても数字だけで評価しちゃいますもんね。

新しい価値、新しい何かを追加したら評価されるって、そこ本当に重要ですよね。


三原

まさしくそこに対して、そういう評価制度をつくっていく、それが人を創っていく延長線上かなって。

入社時に、会社自体がどういう活動をしていて、その活動における社会貢献影響度というの結び付けてあげる。

そういうシナリオを作った上で、新卒採用とか中途採用をやって、入社してもらうとかというのも社会貢献なのかも。 


松本

そこはやってみたいですね、すごく。その会社の見せ方の変革ですよね。


インテリジェンスでの経験を活かしHR領域の支援

三原

ブライトアンドカンパニーっていうのは自分の会社だっけ?


松本

そうです。

そこでは今は特にHR系企業のコンサルティングをメインで受けています。

三原

なるほど、ふーん。

やっぱり人材会社から必要とされるということはやっぱり人材会社で仕事をしていた知見?

松本

そうですね、これは僕の場合はラッキーだったんですが、インテリジェンスで2年目からは事業企画に配属となって、さらに大がかりなシステム導入もやりました。


三原

コンサルティングもいっぱいいたじゃん?


松本

そうですね、特にIBMさんと一緒にやったので、そこも本当に勉強になりましたね。

設計の仕方とか仕事の進め方とか、そこで学びました。


三原

ここでのITバックグラウンドは、ここ最近のお仕事では活きている?


松本

そうですね。今もシステム構築に関わるコンサルティング案件もあるので。


三原 なるほど。じゃあ本当に基礎になってるんだね。経験として。


松本

ただ、システム構築やテストだけでなく後工程のマーケティングもやっていました。

人材業界における肝の集客ですよね。


三原

今現状のものでのSEOとは違うの?


松本

正直、最先端の専門知識はないです。

ただマーケティングの根本的な考え方とかは基本的に変わらないので、そこと社内の業務フロー、システムな部分も含めた全体最適化については、今でも色々な会社様に提案できています。


三原

なるほどね。そうなると、価値として発揮できることは、

①HR領域のコンサルティング

②業務フローやシステム構築に関するコンサルティング

③マーケティングに関するコンサルティング

という3つのテーマがあるんだね。


SDGs×事業×採用をツナグ役割

三原

俺さ、1つ提案なんだけどさ、SDGsとかの取り組みたいに、ブランドマネージャーを目指すとかありなんじゃない?


松本

そこのポジションには興味はありますね。


三原

いま時どこの企業でもやらなきゃだけどブランドマネージャーってこれからじゃん。松本さん英語も話せるし!


松本

実は、各所で引き合い出始めているところでもありまして。NGOで企業側のCSR部長とかという方と話をしていて、特にその大手企業とか、先進的にやってらっしゃる会社さんも

有名なCSRのマネージャーがいて、すごい詳しいんですよNGO界にも。

その人がいればすごく成功するという感じがあって、でも、そういう人は少ないんですよね。国連とかNGOの顔が利いて、社会課題がわかってっていう人は、企業の中にも経験がないので、企業の中でマネージしてみるっていうのは非常に面白いかなっていう感じはしますね。


三原

そういうところのお手伝いから逆に言うと、

まずは企画でお手伝いするとか、よくない?


松本

企画でやってみたいですね。

発注企業として、どんな社会貢献をして、どんな人材を引っ張ってくるか、そしてどう利益を上げるかというストーリーを一緒に考えたいですね。


三原

で、突然だけど、田口的には気になる事とかある?(笑)

田口

改めて、SDGsでいうと、松本さんがどんな価値発揮ができるか教えて頂きたいです! 


松本

2つです。1つは、CSRとの協力が重要。

非営利組織とか、国内外のNPO・NGOのネットワーク沢山あるので、その現場で活躍できる団体をマッチングができるということ。

もう1つは、プラス、SDGsのような社会事業を中長期的な人材開発やファイナンスに繋げていく知見やノウハウがあることです。

CSRとかSDGsは、経済効果におけるメリットが見えにくくて、やるべきと思っているけど優先順位が上がらない企業が多いと思うんですよね。

じゃあ御社ならこういう形で本業にもつながるし、かつ会社のバリューも上がって、

人材も取れるというストーリー作りを1からお手伝いできます。

起業経験もあるので、CSVとかビジョン作りにも入れると思います。

あとは、色々制約がある中でもガリガリ進めていくことができる点も僕のユニークさと思います。(笑)


略歴

株式会社インテリジェンス

・人材紹介事業展開時の事業企画を担当

・大手SIerとのシステム開発及びマーケティング領域を担当


株式会社ジョブダイレクト設立

・日本初の求人検索エンジン事業で法人設立

・株式会社リクルートに株式会社ジョブダイレクトの事業を売却


 株式会社ブライトアンドカンパニー設立

・現在も代表取締役社長として法人運営

・一般社団法人アースメディア 代表理事も務める



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